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同じことが、二つの現場で起きている
トレーニングの世界でも、同じ転換が起きている。
かつて運動指導の中心にあったのは、「正しいフォームを意識させる」アプローチだった。
腹を固めろ。体幹を意識しろ。スイングをゆっくりに。
しかし研究が積み重なるにつれ、逆のことが分かってきた。
体の動きに意識を向けるほど、動きは崩れる。
考えすぎた瞬間に、自動化されていた動作が乱れる。
これは「チョーキング」と呼ばれる現象だ。
プレッシャー下で意識が内に向いた瞬間、長年培ってきた技術が崩れる。
逆に、外に向けた注意——結果、環境、目標——は、
体の自動制御を妨げない。
だから優れたコーチは今、「動きを教える人」ではなく「条件をデザインする人」として自分を捉えはじめている。
体は、条件が整えば自己組織化する。
「回旋は作るものではなく、条件が揃うと勝手に起きる現象だ」
これは、組織で起きていることと同じではないか。
理解させようとするほど、動きは固まる。
変えようとするほど、人は閉じる。
状態が先にある——。
そのことを、トレーニングの現場もまた、独自に発見しつつある。
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